日本SF大会とは
始まりは1962年
1962年に小さな集まりとして始まった日本SF大会は、年に1回、夏休みの頃に開かれる、SFファンのお祭りです。 毎年のSF大会は、特定の団体が開催しているわけではありません。オリンピックのように、開催を希望する団体が立候補し、ファンの代表者の集まりである『日本SFファングループ連合会議』にて決定し、『実行委員会』として、その年の大会運営の委託をうけます。
その結果、SF大会は日本各地で開催されることになり、エリア色豊かな大会を実施しています。
スタッフは、2年以上前から準備活動
実行委員会のスタッフは、基本、無償のボランティアで、全国から集まる仲間を楽しませるために、さまざまな企画を立案し、アイデアを発展させ、実行できるものに作り上げて行きます。
そして『日本SFファングループ連合会議』で大会の開催が決定されるのは、2年前(2回前)の大会ですから、その場に充分に煮詰めた計画を持って行き、開催の裁可を得るためには、さらにその前から会場の踏査・選定が必要です。それを考えると、ある年に大会を開催するためには、およそ3年から4年前から動いているスタッフがいるのです。
もちろん、全てのスタッフがそれほど前から動いているわけではありません。中には当日、現場だけのお手伝いスタッフもいます。多くのスタッフは、大会の1年前、2年前ぐらいから、月に1度の連絡会議(直前何ヶ月かは、月2回になることも多い)を繰り返して、それぞれの担当する準備活動をして、当日に向かって大会を作り上げていくのです。
どんなことをしているのか?
知らない人に「SF大会」というと、皆さん決まって、集まって最新科学理論の討議をしている「難しい場所」か、全員コスプレして集まっているような「奇妙な集会」といったイメージを持たれるようです。しかし実際の大会は、基本的に学会と同窓会と学園祭を合わせたような、和気藹々とした集まりです。もちろん知的好奇心を揺さぶるようなエキサイティングな企画も、気楽な茶話会も、内輪向けのきついジョーク企画も、カラオケ大会も、なんでもありです。
特筆すべきは、多彩な企画出演者の方々です。作家、漫画家、イラストレーター、脚本家、映画監督、学者など、さまざまな分野の多くの方々から、企画協力を頂いてます。
代表的な企画として、以下のようなものがあります。
- パネルディスカッション
- 講演
- ワークショップ
- コンサート
- マスカレード(コスチュームプレイ・ショー)
- 作家とファンの交流会(サイン会、トークショー等)
- 同人誌頒布会
- イラストの原画展
- ハイテク機器の展示および体験
- 新作映画やアニメの上映会(主としてプロモーション上映)
日本SF大会の企画スタイルは、主に学会のような分科会形式です。参加者各自が趣味・嗜好により、10~15コマほど同時並行して行われている中から好きな“企画”に参加できます。各コマ企画は基本的に2時間単位で時間割が組まれます。また、頒布会・展示会などの常設企画は、会期中ずっと開かれていることが多いです。
参加者は、企画の時間割予定を書いた《タイム・テーブル》を手に、その時間に並行して行われている各コマ企画から、自由に選択し、自分の見たいもの、聴きたいもの・体験したいことの分科会部屋へと出かけたり、同人誌頒布コーナー、ギャラリー、休憩コーナーなどの常設企画を回ったりと、自由に選択できます。